防爆機器は、爆発性のある環境で安全に使用するために設計されています。これらの機器は、特定の規格に従って製造され、認証を受ける必要があります。以下では、防爆に関する日本国内と海外の規格について説明します。

防爆規格とは

防爆規格は、爆発性雰囲気で使用される機器の設計、試験、認証に関する基準を定めたものです。これらの規格は、機器が爆発性雰囲気において安全に動作することを保証するために必要です。主な防爆規格には以下のものがあります。

主な防爆規格

IEC 60079: 国際電気標準会議(IEC)が定める防爆規格で、国際的に広く採用されています。

ATEX: 欧州連合(EU)が定める防爆規格で、EU内での使用が義務付けられています。

UL: 米国の防爆規格で、主に北米で使用されます。

JIS C 60079: 日本工業規格(JIS)が定める防爆規格で、IEC 60079に基づいています。

NEPSI: 中国の防爆規格で、中国国内での使用が義務付けられています。

KCs: 韓国の防爆規格で、韓国内での使用が義務付けられています。

日本国内の防爆規格

日本国内では、主に以下の2つの防爆規格が使用されています:

電気機械器具防爆構造規格(労働省告示第16号): 昭和44年に制定された規格で、厚生労働省が認めた従来の規格です。多くの古い防爆機器がこの規格に基づいています。

国際整合防爆指針: 国際的な規格との整合を図るために1988年に制定された技術的基準です。IEC 60079に基づいており、国際的な認証を受けた機器もこの基準に従います。

国内外の防爆の違い

日本国内と海外の防爆規格にはいくつかの違いがあります:

認証プロセス: 日本では、厚生労働省が認定した機関による型式検定が必要です。海外の規格に基づく機器でも、日本国内で使用するためにはこの検定をクリアする必要があります。

規格の適用範囲: 日本の規格は国内の法規制に基づいており、労働安全衛生法や消防法などに従います。一方、海外の規格はそれぞれの地域の法規制に基づいています。

表示方法: 日本の防爆機器は「d2G4」などの表記が用いられますが、国際整合防爆指針に基づく機器は「Exia ⅡBT6」などの表記が用いられます。

防爆機器の選定や使用にあたっては、これらの規格の違いを正しく理解し、適切な機器を選ぶことが重要です。安全な作業環境を確保するために、常に最新の規格や基準に従うようにしましょう。

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