防爆とは?基礎知識から活用業界・防爆機器の使用場所・防爆規格の種類まで徹底解説

爆発性ガスや可燃性粉じんがある現場では「どの機器を使えば安全なのか分からない」と悩む担当者は少なくありません。

まずは、防爆の概念や適用ルールを正しく理解することが、安全投資を判断するうえで不可欠です。

そこで本記事では、防爆の基礎知識や防爆が必要となる理由、防爆エリア(ゾーン)の考え方を紹介します。記事の後半では、日本と海外の防爆規格、防爆カメラの選び方まで体系的に解説するので、ぜひ最後までお読みください。

本記事を読むことで、自社の設備環境に合う防爆機器を判断でき、安全対策の根拠を明確に示せるようになります。

NBKマーケティングは、石油化学・製鉄・プラントなど、危険エリアを含む大規模設備の点検業務を効率化するソリューションを提供しています。

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防爆とは?

防爆とは?

防爆とは、可燃性ガスや粉じんが存在する環境で、設備や機器が着火源とならないように対策を施すことを指します。爆発は「可燃物」「酸素」「着火源」の3要素が揃うことで発生しますが、防爆の目的はこの中の着火源を確実に断つことです。

危険性の高い現場ほど、防爆の考え方を理解したうえで機器を選定する必要があります。

化学プラントや石油精製所・塗装工場などでは、防爆型の照明や監視カメラなどが採用されています。これらの機器は国際規格や国内規格に基づき、爆発を誘発しない構造・保護方式で作られている点が特徴です。

防爆は単なる安全対策にとどまらず、事業継続や設備保全にも直結します。適切に防爆を理解して機器を選ぶことで、事故リスクを減らし、安定した操業を実現しやすくなります。

防爆対応が必要な理由

防爆対応が必要な理由

ここでは、防爆が必要な理由について解説します。

▼防爆対応が必要な理由

  • 理由①|法的義務
  • 理由②|事故・爆発リスクを未然に防ぐため
  • 理由③|生産の継続性・企業運営の安定を守るため

理由①|法的義務

労働安全衛生規則第280条では、爆発の危険性がある区域で使用する電気機器について、防爆構造を備えている必要があると規定されています。規定に逸脱した設備を使用した場合、行政処分や罰金の対象となる可能性があるため必ずチェックすべきです。

防爆機器には、機器内部の火花や熱が外部に漏れないよう構造的に工夫が施されており、法令もその使用を前提にしています。

結果として、防爆対応を適切に行うことは、法令遵守の観点はもちろん、事業継続に不可欠です。安全投資の一環として早期に対応しておくことが企業にとっても大きなメリットになります。

理由②|事故・爆発リスクを未然に防ぐため

防爆対応が必要となる最大の理由は、爆発事故を未然に防止し、現場の安全性と事業継続性を確保するためです。可燃性ガス・蒸気・粉じんが存在する環境では、作業機器が発するわずかな火花や熱が着火源となる可能性があります。

実際に、厚生労働省の労働災害事例では、爆発性雰囲気における火災事故が死亡事故に発展したケースも報告されています。

防爆機器は、内部で発生する火花が、外部の爆発性雰囲気に触れないよう設計されているため、事故の発生確率を下げることが可能です。

爆発事故は、一度発生すると人的被害だけでなく、建屋崩壊や設備損失など重大な影響を引き起こします。そのため、防爆対応は必ず取り組むべき基礎対策としての位置付けが必要です。

理由③|生産の継続性・企業運営の安定を守るため

防爆対応は、安全面だけでなく企業活動の安定にも直結します。爆発事故が発生すると、生産ラインの停止や設備の損壊により、企業は多額の損失を抱えることになります。

特に製造業では、操業停止がそのまま売上減に結びつくため、爆発事故のリスクは経営上の大きな脅威です。

防爆機器を導入していれば、火花や熱による引火リスクを抑えられるため、事故による突発的な操業停止を防ぎやすくなります。また、防爆仕様の設備は耐久性・安全性を前提に設計されているため、故障が原因でラインが止まるケースも減らせる点もメリットです。

防爆が必要な業界一覧

防爆が必要な業界一覧

防爆が必要な業界を表にまとめました。

業界防爆が必要な理由・リスク内容
化学工業・石油精製・有機化学品製造などで可燃性ガス・液体を扱う
・漏洩すると引火・爆発につながるため、防爆措置が必須
農業(飼料・穀物加工工場など)・粉じんが発生しやすく、爆発のリスクが高い
・小さな火花でも爆発し、甚大な被害を招く可能性がある
エネルギー産業(プラント・製油所など)・天然ガス・石油製品など引火性が非常に高い物質を扱う
・設備内外での爆発事故を防ぐために厳格な防爆基準が必要
製薬業界・材料の調合や製造過程で可燃性物質・粉末薬品を扱う
・微小粉じんによる爆発リスクがあり、安全管理が重要

防爆が必要な業界では、わずかな火花や誤操作が重大事故につながるため、設備選定や運用時の安全対策を徹底しましょう。

防爆機器の使用場所|防爆エリア(ゾーン)

防爆機器の使用場所|防爆エリア(ゾーン)

防爆機器の選定において、まず理解しておくべきなのが「ゾーン分類」です。以下では、それぞれのゾーンの特徴と代表的な使用場所を解説します。

▼防爆機器の使用場所|防爆エリア(ゾーン)

  • 使用場所①|ゾーン0
  • 使用場所②|ゾーン1
  • 使用場所③|ゾーン2

使用場所①|ゾーン0

ゾーン0は、爆発性ガスや蒸気が「常時または長時間」存在する、最も危険度が高いエリアです。

この環境で使用できる機器は、最も高い防爆性能を備えていなければなりません。通常の電気機器は一切使用できないため、選定には細心の注意が求められます。

ゾーン0の典型的な例として、可燃性液体を保管するタンク・容器の内部や、液面直上の空間が挙げられます。これらの場所では、日常的にガスが発生しやすく、気体が滞留した状態が続くため、爆発性雰囲気の濃度が高くなりがちです。

また、ガソリンや溶剤を扱うタンクローリーの内部なども該当します。

ゾーン0では、引火を完全に防ぐ構造が求められるため、選定する機器は最高グレードの防爆仕様であることが必須条件です。

使用場所②|ゾーン1

ゾーン1は、通常の運転状態で爆発性雰囲気が「しばしば発生する」可能性があるエリアです。ゾーン0ほど常時危険があるわけではありませんが、作業中や設備の状態によってガスや蒸気が頻繁に発生する環境です。

使用する機器には高水準の防爆性能が求められ、通常機器の設置は避ける必要があります。

具体的な場所としては、タンクや容器の開口部周辺、ガスが漏出しやすい装置の点検・修理時の作業エリアなどです。

また、給油作業を行うタンクローリー車の周囲では、ガスの集積が起こりやすく、このゾーンに分類されるケースが多く見られます。

ゾーン1では、運転状態によるガス発生が想定されるため、設備担当者は定常作業・点検作業それぞれでリスクを検討することが必要です。

使用場所③|ゾーン2

ゾーン2は、通常の運転条件では爆発性雰囲気が発生する可能性が低く、仮に発生しても「短時間」しか存在しないとされるエリアです。機器の故障や配管の損傷、誤操作などが原因で一時的にガスが漏れ出す可能性があるため、防爆対策は必要です。

代表的な場所として、配管の腐食やパッキン劣化でガス漏れが発生する恐れのある設備付近などが挙げられます。

ゾーン2では、比較的リスクが低い環境で使用できる「簡易防爆機器」も選択肢の一つです。安全性を最優先するなら、1ランク上の防爆性能を備えた機器を選ぶのも有効です。

短時間の爆発性雰囲気が想定されるからこそ、適切な機器選定が事故防止に直結します。

NBKマーケティングでは、防爆カメラや防爆スマートグラスをはじめ、防爆対応が求められる現場で活用できる製品を幅広く取り揃えています。導入をご検討中の方や、まずは情報収集から始めたい方も、お気軽にお問い合わせください。

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防爆規格の種類

防爆規格の種類

ここでは、日本と世界の代表的な防爆規格をわかりやすく解説します。

▼防爆規格の種類

  • 日本の規格
  • 世界の規格

以下の記事では、防爆規格の基礎知識について解説しているので、合わせてご参照ください。

>>防爆規格の基本と日本・海外の違いを解説!防爆機器の見分け方や防爆構造の種類も紹介

日本の規格

日本で防爆機器を使用する際は、必ず国内の認証基準に適合している必要があります。国内で採用されている防爆規格は、「電気機械器具防爆構造規格」と「国際整合防爆指針」の2つです。

「電気機械器具防爆構造規格」は防爆方式や爆発等級、発火温度の等級を組み合わせて機器の安全性を示す方式が特徴です。

一方「国際整合防爆指針」はIEC(国際電気標準会議)の国際規格との整合を目的として制定されたものを指します。国際的な表記方法を採用しているため、海外製品との比較や導入判断がしやすくなる点がメリットです。

海外で認証済みの機器であっても、日本の検定を通過していなければ使用できず、例外は認められません。このため、設備担当者は導入前に必ず「国内認証の有無」を確認する必要があります。

世界の規格

国ごと・地域ごとに防爆規格が存在します。代表的な規格は、国際規格「IECEx」や欧州の「ATEX」、アメリカの「UL規格」などです。

それぞれ認証方法や試験条件が異なるため、単純に互換性があるとは限りません。

国際的な相互認証は一部に限られるため、たとえIECEx認証を取得していても、輸出先の国で追加認証が必要となるケースは多くあります。防爆機器を複数国で使用する場合は、対象国ごとに適切な規格に適合しているか確認しましょう。

世界の規格を理解しておくことで、海外製機器の導入判断やグローバル展開時の手続きがスムーズになります。

防爆カメラはLC-EX10がおすすめ

防爆カメラはLC-EX10がおすすめ

引用:NBKマーケティング

カメラ名完全無線型防爆(ZONE2対応)IoTカメラ(LC-EX10)
会社名NBKマーケティング株式会社
重さ約530g
防爆記号(JPEx)Ex ic IIC T6 GcEx ic IIIC T85℃ Dc
防爆記号(IECEx)認証取得済み
URLhttps://lilz-nbk.co.jp/products/lc-ex10/

NBKマーケティングの完全無線型防爆(ZONE2対応)IoTカメラLC-EX10は2024年9月に国内の防爆認証(JPEx)を取得しています。ZONE2で安全に使用できる点が特徴です。

同機種はIECEx認証も取得済みのため、国際基準に沿った運用が求められる現場でも安心して採用できます。重さは約530gで軽量なため、金具を使って簡単に設置可能です。

特別な配線工事が不要な完全無線タイプのため、現場を止めずにスピーディーに導入できます。電池寿命は約3年間と長く、頻繁に交換作業を行う必要がないため、メンテナンスの負荷も大幅に抑えられます。

>>完全無線型 防爆IoTカメラ LC-EX10をチェックする

まとめ:防爆の基本を理解し、適切な機器選定につなげよう

まとめ

防爆は専門領域と捉えられがちですが、爆発リスクのある現場では、安全性だけでなく生産の安定性にも直結する重要な取り組みです。

自社の設備環境がどのゾーンに該当するかを把握し、必要な防爆性能を満たす機器を選ぶことが事故防止につながります。特に、ZONE2向けの防爆カメラ「LC-EX10」は、安全性と扱いやすさを兼ね備えた実用的な選択肢です。

自社に最適な防爆機器選定に本記事をお役立てください。

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