インフラ点検にドローンを活用して実現できることを紹介|活用事例から課題まで解説

老朽化が進む国内のインフラ設備。その維持管理を担う自治体や事業会社にとって、点検業務の効率化やコスト削減、作業員の安全確保は課題となっています。

そこで現在、注目を集めているのがドローンを活用したインフラ点検です。

本記事では、インフラ点検にドローンを導入して具体的に何が実現できるのか、実際の活用事例を交えながら詳しく解説します。また、導入コストや費用相場、国土交通省の基準に関する動向、導入前に知っておくべき課題やリスクまで網羅しました。

ドローン点検の導入を検討し、次世代の安全で効率的な維持管理体制を構築するためのガイドとして、ぜひ最後までお役立てください。

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インフラ点検にドローンを活用して実現できること

インフラ点検にドローンを活用して実現できること

ここでは、インフラ点検にドローンを活用することで、どんなことが実現できるのか、詳しく紹介していきます。

▼インフラ点検にドローンを活用して実現できること

  • できること①|作業時間の短縮
  • できること②|危険箇所での安全な点検
  • できること③|見えない異常の検知

できること①|作業時間の短縮

インフラ点検にドローンを導入することで、点検にかかる作業期間を大幅に短縮できます。

例えば、これまでの橋梁や大型プラントの点検では、特殊車両の手配や足場の組み立てに多くの日数を費やしてきました。しかし、ドローンを活用すれば、現場に到着してすぐに上空から対象箇所へアクセス可能です。

高解像度カメラで広範囲を短時間で撮影できるうえ、大規模な交通規制を敷く必要もありません。物理的な準備作業だけでなく、警察や関連機関への道路使用許可などの申請手続きにかかる手間も削減できます。

結果として、人手不足に悩む現場の負担を減らしつつ、迅速で効率的な維持管理体制の構築につながります。

できること②|危険箇所での安全な点検

インフラ点検にドローンを活用することで、作業員の安全性も高められます。人が直接立ち入るのが困難、あるいはリスクを伴う環境でも遠隔操作で調査を進められるからです。

老朽化した橋梁の裏側や急斜面など、高所での目視点検は常に滑落や転落の危険と隣り合わせでした。ドローンであれば、作業員は安全な地上に留まったまま、対象箇所に接近して詳細な状態を把握可能です。

近年は非GPS環境下でも安定して飛行できる機体も登場しており、活躍の場はさらに広がっています。これにより、電波の届かない地下トンネルや下水道管路、暗く狭いボイラー内部といった閉鎖空間の点検にも対応できます。

できること③|見えない異常の検知

特殊なカメラを搭載したドローンを使えば、肉眼では判別しにくいインフラ内部の不具合も的確に検知できます。

コンクリート構造物の点検を例に挙げると、これまでの目視だけでは内部の空洞や剥離を見抜くことは容易ではありませんでした。そこで、赤外線カメラを搭載したドローンを用いて、上空から対象物を一気にスキャンする手法が注目を集めています。

赤外線カメラは日照による表面温度の微妙な差を測定し、内部に空洞が発生している箇所を特定可能です。さらに、取得したデータをAIで解析し、ひび割れなどの劣化を自動抽出する技術も実用化が進んでいます。

インフラ点検におけるドローンの活用事例

インフラ点検におけるドローンの活用事例

ここからは、実際にインフラ点検におけるドローンの活用事例を確認していきましょう。

▼インフラ点検におけるドローンの活用事例

  • 事例①|橋梁の定期点検
  • 事例②|地下鉄トンネルの点検
  • 事例③|港湾・沿岸構造物の点検
  • 事例④|砂防施設の自動巡視・点検

参照:国土交通省「国土交通省のドローン活用事例」

事例①|橋梁の定期点検

橋梁の定期点検では、従来は通行規制を実施したうえで橋梁点検車を用い、作業員が近接目視で損傷を確認していました。しかし、国土交通省は平成31年の定期点検要領改定により、2巡目点検からドローン等の点検支援技術の活用を可能としました。

具体的には、ドローンで橋梁下面や高所部を撮影し、取得した画像からひび割れや剥離などの損傷を確認します。これにより、橋梁点検車の使用を削減でき、通行規制が不要となるケースも生まれました。

その結果、道路利用者への影響軽減と点検コストの縮減を同時に実現しています。また、画像データを蓄積することで経年比較が可能となり、予防保全型の維持管理への移行にも貢献しています。

事例②|地下鉄トンネルの点検

東京メトロでは、地下鉄トンネルの立坑等の点検にドローンを活用しています。

ドローンをトンネル内で飛行させ、内壁や天井部を撮影することで、高所作業や足場設置を省略できます。これにより、作業時間の短縮と作業員の安全確保を両立しました。

また、被災時には九州運輸局や鉄道事業者がドローンを活用して被災状況を空撮し、橋梁流出や土砂流入の状況を迅速に把握しています。結果として、復旧方針の早期決定と対応の迅速化につながりました。

事例③|港湾・沿岸構造物の点検

港湾分野では、地震や土石流災害後の迅速な被災状況把握にドローンが活用されています。

例えば、相馬港や熱海港では、上空から岸壁や臨港道路を撮影し、被害範囲を短時間で確認。その結果、応急復旧工事の迅速な着手や復旧工程の策定に貢献しました。

また、港湾施設の維持管理では、ドローンとAIを組み合わせて施設を3Dデータ化し、変状を自動抽出するシステムの開発も進められています。

作業時間を20%以上削減することを目標とし、広範囲の施設を効率的に点検できる体制を構築しています。

事例④|砂防施設の自動巡視・点検

山間部に設置された砂防施設では、目視外での自律飛行による自動巡視が実施されています。

国総研では、飛行ルートを事前にプログラムした国産UAVを用い、河道閉塞(天然ダム)や既設砂防堰堤の点検を実施。これにより、大規模崩壊箇所や危険区域へ作業員が立ち入ることなく調査が可能となりました。

また、実運用に向けた手引きを作成し、人力に依存していた調査・点検業務の飛躍的な効率化と安全確保を実現しています。災害対応力の強化と、日常的なインフラ管理の高度化の両面で成果を上げている事例です。

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ドローンによるインフラ点検の価格・費用相場

ドローンによるインフラ点検の価格・費用相場

ドローンを用いたインフラ点検の費用は、専門業者へ「外注」するか、自社で「内製化」するかによって変動します。

専門業者へ外注する場合、小規模な橋梁や法面(人工的な斜面)で20万円程度からが目安です。中規模以上の施設になれば50万円〜100万円を超えるケースも珍しくありません。

一方、自社で点検を内製化するには、初期投資として80万円〜200万円程度を見込んでおく必要があります。機体の購入費だけでなく、操縦資格の取得費用や画像解析ソフトなどの関連機材も必要になるためです。

ただし、一度体制を整えれば、長期的なランニングコストは抑えられます。単発の依頼か、継続的な運用かを踏まえ、費用対効果の高い最適な手段を選択しましょう。

ドローンを活用したインフラ点検の課題

ドローンを活用したインフラ点検の課題

ドローンによるインフラ点検は多くのメリットがある一方で、導入前に把握しておくべき課題も存在します。

ここでは、安全かつ確実に点検業務を遂行するために知っておくべき、3つの主な課題について詳しく解説します。

▼ドローンを活用したインフラ点検の課題

  • 課題①|飛行できないエリアがある
  • 課題②|周囲設備との接触リスクがある
  • 課題③|天候によって飛行が制限される

課題①|飛行できないエリアがある

ドローンのインフラ点検において、すべての場所で無条件に飛行できるわけではない点には注意する必要があります。施設の性質や立地によっては、機体の使用自体が安全基準によって厳しく制限されているからです。

特に注意すべき環境として、化学プラントなどの、可燃性ガスや蒸気が発生する恐れのある「防爆エリア」が挙げられます。一般的なドローンはモーターの火花が引火の原因となる危険性があるため、こうした場所で運用できません。

そのため、点検対象の設備が法的な規制や物理的な制限の対象になっていないか、事前の入念な調査が不可欠です。

以下の記事では、防爆ドローンについて詳しく解説しているので、合わせてご参照ください。

>>防爆ドローンの概要と主要メーカーを紹介|課題と対策・ドローン活用の取り組み事例まで

課題②|周囲設備との接触リスクがある

ドローンをインフラ設備に接近させて点検する際、周囲の構造物と機体が接触してしまうリスクがあります。

橋梁の下面や入り組んだトンネル内部には、障害物が密集しており、GPSが届きにくい環境では機体の位置制御も不安定になりがちです。わずかな操縦ミスや突風でも衝突につながり、機体の墜落や設備損傷、最悪の場合は二次事故を招く恐れがあります。

そのため、障害物検知機能を備えた機体を導入し、狭隘空間での飛行経験を持つ操縦者が飛行計画から安全確認までを徹底する体制が求められます。

飛行計画は機体性能だけでなく、操縦者の経験や能力も考慮して無理のない計画にすることが重要です。

課題③|天候によって飛行が制限される

ドローンは軽量な機体のため、強風や雨などの影響を受けやすい機器です。そのため、天候が悪化すると飛行できない可能性がある点は、課題として挙げられます。

例えば、沿岸部の港湾施設や山間部などでは、突発的な強風によって機体の姿勢制御が効かなくなり、安全な飛行が困難になります。また、雨天時や霧が発生するような高湿度環境では、機体内部に水分が侵入してショートや故障を引き起こす原因になりかねません。

そのため、悪天候が予想される場合は、安全を最優先して予定していた点検日程を延期せざるを得ないのが実情です。

期日通りに業務を完了させるには、あらかじめ予備日を十分に設けるなど、天候の悪化を想定した余裕のあるスケジュール管理が欠かせません。

まとめ:ドローンを活用したインフラ点検を検討しよう

まとめ

老朽化が進むインフラの維持管理において、ドローンは点検業務の効率化と安全性向上に有効な選択肢です。一方で、飛行規制や天候の影響といった制約もある点は抑えておく必要があります。

本格導入を進める際は、運用体制やコストを整理したうえで、自社の現場環境に合った方法を選択することが重要です。本記事で紹介した活用事例や費用相場を参考に、自社の課題に合った導入方法を検討してみてください。

なお、インフラ点検の効率化・自動化をお考えの企業様は、NBKマーケティングにご相談ください。現場の課題を丁寧にヒアリングし、最適な製品・サービスの組み合わせを提案いたします。

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