防爆エリアでAndroid(アンドロイド)端末は使える?使える条件・Zone区分・3つの選択肢をわかりやすく解説

公開日:2026年10月 | NBKマーケティング株式会社


防爆エリアでAndroid端末を使うには、日本の国内防爆検定(型式検定)に合格した防爆仕様の端末を使うのが原則です。一般のAndroidスマートフォンやタブレットは防爆構造ではないため、そのまま防爆エリアに持ち込むことはできません。ただし近年は、Zone2や非危険区域に限り、ガス検知器による確認などの安全対策を条件に、一般の端末を使えるようにする動きも進んでいます。本記事では、防爆エリアの区分、Android端末を使うための3つの方法、端末選びの手順を解説します。あわせて、Androidと並ぶ選択肢として、国内検定でZone1の認証を取得したiPad mini用防爆ケースも紹介します。

防爆エリアの現場でタブレットを確認する作業員
プラントの現場でも、スマートフォンやタブレットを使った点検記録・図面確認のニーズが高まっています(画像:HTA3021製品紹介資料より)


この記事でわかること

  1. 一般のAndroid端末を防爆エリアでそのまま使えない理由
  2. 防爆エリアの区分(Zone0・Zone1・Zone2)と、使える端末の関係
  3. 防爆エリアでスマート端末を使う3つの方法
  4. 失敗しない端末選びの手順
  5. Androidと並ぶ選択肢「iPad mini用防爆ケース(Zone1対応)」

防爆エリアで一般のAndroid端末を使えない理由

防爆エリアとは、可燃性のガスや蒸気、粉じんが空気と混ざり、爆発するおそれがある場所のことです。 化学プラント、石油精製所、ガス関連施設、塗装工程などが代表例です。

スマートフォンやタブレットの内部では、電子回路やバッテリーが動いています。故障や落下による破損で火花や高温が生じると、周りのガスに引火するおそれがあります。そのため日本では、次の法令によって防爆エリアで使える電気機器が厳しく決められています。

  • 労働安全衛生法:防爆エリアでは、国内の防爆検定に合格した機器を使う義務があります。違反すると、安全配慮義務違反や労働安全衛生法違反に問われるおそれがあります。
  • 消防法:危険物を取り扱う施設では、設備について事前の許可申請や検査が必要です。
  • 高圧ガス保安法:高圧ガスを扱うプラントの保安について定めています。

一般のAndroid端末は防爆構造ではなく、国内防爆検定も受けていません。そのため、OSがAndroidかどうかに関係なく、一般のスマートフォンやタブレットはそのまま防爆エリアで使えません。

海外の防爆認証だけでは使えない

IECExとは国際電気標準会議(IEC)の国際防爆認証制度、ATEXとは欧州連合(EU)の防爆指令のことです。 海外製の防爆Android端末には、これらの認証を取得している製品が多くあります。

ただし、産業安全技術協会(TIIS)によると、IECExの認証を取得していても、そのまま日本国内で使うことはできません。日本で使うには国内の検定が別に必要で、国内での試験も改めて行う必要があります。海外製の端末を検討する際は、国内の型式検定合格番号があるかを必ず確認してください。


防爆エリアの区分と使える端末

防爆エリアの区分とは、爆発性雰囲気(爆発する濃度のガスなどがある状態)が、どのくらいの頻度・時間存在するかで危険度を分けたものです。 日本では次の3つに区分されます。

区分内容
Zone0(特別危険箇所)通常の状態で、爆発性雰囲気が連続して、または長時間・頻繁に存在する場所
Zone1(第一類危険箇所)通常の状態で、爆発性雰囲気をしばしば生成するおそれがある場所
Zone2(第二類危険箇所)通常の状態では爆発性雰囲気を生成するおそれが少なく、生成しても短時間しか続かない場所

粉じんの場合は、Zone20・Zone21・Zone22と表します。区分は、放出源の等級や換気の状態などをもとに決められます。Zone1対応の機器はZone2でも使えますが、Zone2向けの機器をZone1で使うことはできません。

危険場所の区分ごとに使える端末を示した表
図:危険場所の区分と使える端末の関係。一般の端末をZone2で使えるのは、事業所ごとの安全対策を行った場合に限られます


防爆エリアでスマート端末を使う3つの方法

防爆エリアでスマート端末を使う方法は、大きく分けて3つあります。 それぞれの特徴と注意点を見ていきましょう。

防爆エリアでスマート端末を使う3つの方法の比較図
図:防爆仕様のAndroid端末、一般のAndroid端末の条件付き使用、iPad mini+防爆ケースの3つの方法

方法1:防爆仕様のAndroid端末を使う

防爆仕様のAndroid端末とは、本質安全防爆構造などを採用し、危険場所で使えるように設計された専用のスマートフォンやタブレットのことです。 国内でも、国内防爆検定に合格したZone1対応のAndroidスマートフォンが販売されています。

たとえば、システムギア社が扱う防爆スマートフォン「Smart-Ex 03」は、国内防爆型式検定を取得済みで、Zone1・Zone21、Android 13、5G、IP68などに対応しています。ビーエヌテクノロジー社が扱う「IS530.1」も、国内防爆検定に合格したZone1対応の小型防爆スマートフォンです。

防爆仕様のAndroid端末には、次のようなメリットがあります。

  • Androidアプリをそのまま現場で使える
  • Android Enterprise(Googleの法人向け端末管理の仕組み)とMDM(モバイルデバイス管理)を使って、アプリ配信や設定を一括で管理できる機種がある
  • 業務用アプリやバーコード読み取りなど、用途に合わせてカスタマイズしやすい

一方、注意点もあります。防爆エリアの中では、バッテリーの充電や取り外しは行えません。 充電や電池交換は、必ず安全な区域で行う必要があります。また、防爆仕様の端末は一般の端末と比べて機種が限られ、価格も高くなりがちです。

方法2:一般のAndroid端末を条件付きで使う

一般のAndroid端末を条件付きで使う方法とは、Zone2や非危険区域に限り、安全対策をとったうえで防爆仕様ではない端末を使う方法です。

経済産業省のスマート保安官民協議会は、2024年2月に、プラントでスマートフォンやタブレットの活用を広げるための提言をまとめました。そこでは、Zone2または非危険区域で、十分な安全が確保されていることを前提に、防爆仕様ではない端末の利用を可能にすることが目指されています。

自治体の消防機関のガイドライン(例:四日市市消防本部)では、主に次のような対策が求められています。

  • 固定式または携帯用のガス検知器で、可燃性の蒸気がないことを確認できること
  • 落下防止の措置(肩掛けひも付きカバーなど)や、使用前後の動作確認を行うこと
  • 機器の仕様、用途、使う場所、管理体制、火災時の対応を、予防規程の添付書類や社内規定で明らかにすること

この方法は、Zone1では使えません。 また、事業所ごとのリスクアセスメントや所轄消防との調整が必要になるため、すぐに導入できるとは限りません。

方法3:iPad mini+防爆ケースを使う

iPad mini+防爆ケースとは、国内防爆検定に合格した防爆ケースにiPad miniを格納して、防爆エリアで使えるようにする方法です。 OSはAndroidではなくiOSですが、「普段使っているタブレットを防爆エリアに持ち込みたい」というニーズに応える選択肢です。

NBKマーケティングが扱うiPad mini用防爆ケース「HTA3021」は、国内防爆検定でZone1(ガス)・Zone21(粉じん)の認証を取得しています。詳しくは後半で紹介します。

3つの方法の比較

項目方法1:防爆Android端末方法2:一般Android端末(条件付き)方法3:iPad mini+防爆ケース(HTA3021)
使える区分機種による(Zone1対応機種あり)Zone2・非危険区域のみZone1・Zone2/Zone21・Zone22
国内防爆検定合格品を選ぶ必要ありなし(安全対策が前提)合格済み
OS・アプリAndroidAndroidiOS
導入時の手間機種選定リスクアセスメント・規程整備・消防との調整対応iPad miniの準備
注意点機種が限られ高価になりがちZone1では使えないiPad mini(A17 Pro)専用

失敗しない端末選びの手順

端末選びで最も大切なのは、「使う場所の区分」を最初に確認することです。 区分がわからないまま端末を選ぶと、買った後に使えないことがわかる場合があります。次の手順で確認しましょう。

防爆エリアで使う端末選びの確認フロー
図:使う場所の区分 → アプリ・OS → 細かい条件の順に確認します

手順1:使う場所の区分を確認する

点検ルートや作業場所に、Zone1・Zone21が含まれるかを安全管理部門と確認します。Zone1を含む場合は、国内防爆検定でZone1に合格した端末(方法1・方法3)に絞り込みます。 Zone2だけの場合は、防爆検定品を使うか、条件付きの非防爆運用(方法2)を検討します。

手順2:使いたいアプリ・OSを確認する

すでに社内で使っている点検アプリや業務システムが、Android版かiOS版かを確認します。MDMで管理する場合は、その端末がMDMに対応しているかも確認しましょう。

手順3:細かい条件を比較する

扱うガスのグループや発火温度(温度等級)、端末の重さ、画面サイズ、カメラ性能、価格、保証期間を比べます。

手順4:運用ルールを決めて文書化する

充電・電池交換の場所、落下防止、持ち込みの手続きなどを社内ルールとして決めます。危険物施設の場合は、所轄消防への確認も行っておくと安心です。


Androidと並ぶ選択肢:iPad mini用防爆ケース(ZONE1対応)HTA3021

HTA3021とは、iPad mini(A17 Pro)を格納して防爆エリアで使えるようにする、The Joy Factory社製の耐圧防爆構造ケースです。 NBKマーケティングが国内総代理店として取り扱っています。

iPad mini用防爆ケースHTA3021の正面と背面
iPad mini用防爆ケース HTA3021(aXtion Extremeシリーズ)。左:正面、右:背面(画像:HTA3021製品紹介資料より)

HTA3021が選ばれる理由

  • 国内防爆検定に合格:ガス防爆は第NC10145X号(Ex db IIB+H2 T6 Gb)、粉じん防爆は第NC10146X号(Ex tb IIIC T85°C Db)です。iPad mini用防爆ケースとしてZone1の国内防爆認証を取得しているのは、国内で唯一です(NBKマーケティング調べ)。国際認証のIECEx/ATEX Zone 1・21にも対応しています。
  • iOSアプリやMDMをそのまま使える:iPad mini本体をケースに格納するため、普段使っているiOSアプリや、Apple Business Manager(ABM)・MDMによる管理基盤をそのまま活用できます。
  • 高い処理性能とカメラ:Apple A17 Pro、35 TOPSのAI処理性能、背面12MPカメラ、4K 60fpsの動画撮影に対応します。
  • 導入コストを抑えられる:一般的な防爆端末が約100万円なのに対し、HTA3021はiPad mini付きで70万円、iPad miniをお客様が用意する場合は55万円です。最大で約45%のコスト削減が見込めます(価格は目安)。
  • 堅牢性と2年保証:IP68の防水・防塵性能、MIL-STD-810H準拠の耐衝撃性能を備え、保証は2年です。

HTA3021の主な仕様

項目内容
対応端末iPad mini(A17 Pro)/A2993・A2995
防爆認証(国内)第NC10145X号(ガス)/第NC10146X号(粉じん)
防爆認証(国際)IECEx/ATEX Zone 1・21
防爆構造耐圧防爆構造(Ex d)
防水・防塵IP68
耐衝撃MIL-STD-810H 準拠
寸法19.2 × 24.8 × 2.7 cm
重量総重量 約1,400g(ケース 約1,103g+端末 約297g)
保証2年

「Android端末で探していたが、Zone1対応の機種は選択肢が少ない」「性能やカメラに不満がある」という場合は、HTA3021もあわせてご検討ください。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 一般のAndroidスマートフォンを防爆エリアに持ち込んで使えますか?
A. 原則として使えません。防爆エリアでは、国内防爆検定に合格した防爆構造の機器を使う必要があります。ただし、Zone2や非危険区域に限り、ガス検知器による確認などの安全対策を行い、社内規程や所轄消防との調整を済ませた場合に、一般の端末を使える場合があります。

Q2. IECExやATEXの認証があるAndroid端末なら、日本でも使えますか?
A. それだけでは使えません。日本国内の防爆エリアで使うには、国内の防爆検定(型式検定)に合格している必要があります。型式検定合格番号の有無を確認してください。

Q3. 防爆仕様のAndroid端末は、防爆エリアの中で充電できますか?
A. できません。防爆エリアの中では、バッテリーの充電や取り外しは禁止されています。充電や電池交換は、必ず安全な区域で行ってください。

Q4. Zone1で使えるスマート端末にはどんなものがありますか?
A. 国内防爆検定でZone1に合格した防爆Androidスマートフォンやタブレットのほか、iPad miniを格納して使う防爆ケース「HTA3021」があります。HTA3021はZone1(ガス)・Zone21(粉じん)の国内認証を取得しています。

Q5. AndroidとiPad mini+防爆ケースは、どちらを選べばよいですか?
A. 社内で使っているアプリや管理の仕組みがどちらのOSに対応しているかで選ぶのがおすすめです。Androidアプリを使う場合は防爆Android端末、iOSアプリやiPadの管理基盤を活かしたい場合や、カメラ・処理性能を重視する場合はHTA3021が向いています。


まとめ

  • 一般のAndroid端末は、防爆構造ではないため、そのまま防爆エリアでは使えない
  • 海外のIECEx・ATEXだけでは不十分で、国内防爆検定の合格が必要
  • 使う方法は3つ:防爆仕様のAndroid端末、一般のAndroid端末の条件付き使用(Zone2・非危険区域のみ)、iPad mini+防爆ケース
  • 端末選びは、まず使う場所の区分を確認し、次にアプリ・OS、細かい条件の順に比べる
  • Zone1で使いたい場合は、国内検定でZone1の認証を取得したiPad mini用防爆ケースHTA3021も有力な選択肢

防爆エリアでのスマート端末の活用をご検討中の方は、お気軽にNBKマーケティングへご相談ください。

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