
公開日:2026年10月 | NBKマーケティング株式会社
iPhoneやiPadなどのiOS機器は、そのままでは防爆エリアに持ち込めません。 一般のiOS機器は、国内の防爆検定に合格した「防爆構造の電気機械器具」ではないためです。防爆エリアでiOS機器を使う方法は、大きく分けて「iPhone組み込み型の防爆スマートフォンを使う」「条件付きで非防爆の端末を使う」「iPad mini用防爆ケースを使う」の3つです。このうち、**Zone1を含む現場でも使えるのが、NBKマーケティングが取り扱う「iPad mini用防爆ケース(ZONE1対応)HTA3021」**です。本記事では、iOS機器をそのまま持ち込めない理由と3つの方法、そして選び方を、法令や公的資料をもとにわかりやすく解説します。

防爆エリアでも、いつものiOSアプリで点検や記録ができれば、現場の仕事は大きく変わります(画像:HTA3021製品紹介資料より)
【注目】Zone1の防爆エリアでiOS機器を使うなら
iPad mini用防爆ケース(ZONE1対応)HTA3021は、国内防爆検定に合格した、唯一のiPad mini用防爆ケースです(NBKマーケティング調べ)。iPad mini(A17 Pro)をケースに入れて、普段お使いのiOSアプリ・Safari・MDM・Apple Pencilを、Zone1の現場でそのまま使えます。
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この記事でわかること
- iPhone・iPadをそのまま防爆エリアに持ち込めない理由
- iOS機器を防爆エリアで使う3つの方法
- 使う場所(Zone)に合わせた選び方
- Zone1で使えるiPad mini用防爆ケース「HTA3021」
- 導入までの流れ
そもそも防爆エリアとは?
防爆エリアとは、可燃性のガスや蒸気、粉じんが空気と混ざり、爆発するおそれがある場所のことです。 石油精製所、化学プラント、タンク周り、塗装工程などが代表例で、法令では「危険箇所」「危険場所」とも呼ばれます。
防爆エリアは、爆発性の雰囲気(ガスなどが燃える濃度で空気と混ざった状態)が生まれやすいかどうかで、次のように分けられます。
| 区分(ガス) | 区分(粉じん) | どんな場所か |
|---|---|---|
| Zone0(特別危険箇所) | Zone20 | 爆発性の雰囲気が、長い時間または常に存在する場所 |
| Zone1(第一類危険箇所) | Zone21 | ふだんの運転中に、爆発性の雰囲気が生まれるおそれがある場所 |
| Zone2(第二類危険箇所) | Zone22 | 異常なときに限って、短い時間だけ爆発性の雰囲気が生まれるおそれがある場所 |
どのZoneで使うかによって、選べるiOS機器の方法が変わります。 まずは、使いたい場所の区分を確認することが大切です。
iPhone・iPadをそのまま防爆エリアに持ち込めない理由

iOS機器の中には、火花・熱・電池など、点火源になりうる要素があります
法令で「防爆構造の機器」を使うことが決められている
労働安全衛生規則第280条は、引火性の物の蒸気や可燃性ガスが爆発の危険のある濃度に達するおそれのある箇所では、その種類と危険の程度に応じた防爆性能を持つ防爆構造の電気機械器具でなければ、使ってはならないと定めています。 また、第279条では、爆発や火災のおそれのある場所で、点火源となるおそれのある機械等を使ってはならないとしています。
一般のiPhoneやiPadは、国内の防爆検定(型式検定)に合格した防爆品ではありません。そのため、原則として防爆エリアにそのまま持ち込んで使うことはできません。
iOS機器の中にある「点火源」のリスク
スマートフォンやタブレットには、次のような点火源のリスクがあります。
- 電気回路の火花:ボタンやスイッチ、接点などで、小さな火花が出ることがあります
- 部品の発熱:CPUや充電回路などが熱をもち、高温の表面が点火源になるおそれがあります
- リチウムイオン電池:東京消防庁によると、リチウムイオン電池は電解液に燃えやすい有機溶剤を使っています。衝撃や内部の短絡(ショート)で急に熱くなると、溶剤が揮発して着火し、出火につながることがあります
防爆エリアでは、ほんのわずかな火花や熱でも、爆発の引き金になりかねません。 だからこそ、iOS機器を使うには「防爆の仕組み」が必要になるのです。
iOS機器を防爆エリアで使う3つの方法

使える場所(Zone)が方法によって異なります
方法1:iPhone組み込み型の防爆スマートフォンを使う
iPhoneを専用の防爆ケースに組み込み、ケースとiPhoneを一体として国内防爆検定に合格させた製品を使う方法です。 国内では、複数のメーカーがこの形の製品を提供しています。
メーカーの公表情報(参考資料7・8)によると、主な特徴は次のとおりです。
- ケースだけの販売はなく、メーカーがiPhoneを組み込んで提供する:防爆性能は「ケースとiPhoneの組み合わせ」で確保されるため、ユーザーが自分でiPhoneを出し入れすることはできません
- 使える場所はZone2(第二類危険箇所):本記事で確認したiPhone組み込み型の製品は、いずれも非点火防爆構造(Ex nC)で、Zone2向けでした。Zone1では使えません
- 充電はワイヤレス(非接触):ケースに入れたまま、非危険場所でワイヤレス充電器を使って充電します
- 一部のボタンが使えない場合がある:機種によっては、側面のスイッチなどが使えないことがあります
Zone2だけで使うなら有力な選択肢ですが、Zone1を含む現場では使えない点に注意が必要です。
方法2:非防爆のiPhone・iPadを条件付きで使う
近年は、保安業務のデジタル化(スマート保安)を進めるため、非防爆の端末を使うためのルールづくりも進んでいます。
経済産業省のスマート保安官民協議会(高圧ガス保安部会)は、2024年2月の提言で、Zone2または非危険区域に限り、次のような安全対策を前提に、非防爆のスマートフォン・タブレットの活用を進める方向を示しました。
- ガス検知器を使い、爆発性の雰囲気がないことを確認する
- 落下防止、保護ケースの装着、使う前後の動作確認などの対策をとる
- 国の基本方針に沿って、事業所ごとに具体的な安全対策を決める(自主行動計画など)
この方法なら、手持ちのiPhone・iPadをそのまま活用できる可能性があります。ただし、あくまでZone2・非危険区域に限った考え方であり、事業所の安全対策の整備や、所轄の消防機関などとの協議が前提です。Zone1では使えません。
方法3:iPad mini用防爆ケース「HTA3021」を使う
iPad mini(A17 Pro)を耐圧防爆構造のケースに格納し、Zone1の防爆エリアでも使えるようにする方法です。 HTA3021は、ガス防爆と粉じん防爆の両方で国内防爆検定に合格しています。
- ガス:Zone1・Zone2(第一類・第二類危険箇所)で使える
- 粉じん:Zone21・Zone22で使える
- 普段のiOSアプリ・Safari・MDM・Apple Pencilがそのまま使える
方法1・方法2では対応できないZone1でも、iOS機器を使えるのが、HTA3021の最大の特長です。
3つの方法の比較
| 項目 | 方法1:iPhone組み込み型 | 方法2:非防爆端末の条件付き利用 | 方法3:HTA3021 |
|---|---|---|---|
| 使える場所 | 主にZone2 | Zone2・非危険区域のみ | Zone1・Zone2(粉じんはZone21・Zone22) |
| 国内防爆検定 | 合格品(ケースとiPhoneの組み合わせ) | なし(非防爆) | 合格(ガス・粉じん) |
| 端末 | iPhone | 手持ちのiPhone・iPadなど | iPad mini(A17 Pro) |
| 主な前提 | メーカーによる組み込み | ガス検知器の併用、安全対策、事業所の計画・協議 | ケースへの格納・事業所の保安ルール |
| 画面 | スマートフォンサイズ | 端末による | 8.3インチ(図面・帳票も見やすい) |
使う場所(Zone)に合わせたiOS機器の選び方
選び方のポイントは、**「点検ルートや作業場所に、Zone1・Zone21が含まれるかどうか」**です。
- Zone1・Zone21が含まれる場合:国内防爆検定でZone1(Zone21)に合格した機器が必要です。iOS機器で対応するなら、HTA3021が選択肢になります
- Zone2・Zone22だけの場合:方法1(iPhone組み込み型)や方法3(HTA3021)の防爆検定品を使うか、条件付きの非防爆運用(方法2)を検討します
- 電話・通話が中心の場合:スマートフォンサイズの方法1が向いています
- 図面・帳票・写真の確認が中心の場合:画面が大きいiPad miniを使えるHTA3021が向いています
なお、Zone2だけだと思っていたルートの一部に、Zone1が含まれていたというケースもあります。ルート全体の区分を、安全管理部門と事前に確認しておきましょう。
Zone1で使えるiPad mini用防爆ケース「HTA3021」
HTA3021とは、iPad mini(A17 Pro)を格納して、Zone1の防爆エリアで使えるようにする耐圧防爆構造のケースです。 2026年3月3日付で、日本国内の防爆検定に合格しました。

iPad mini用防爆ケース HTA3021。左:正面、右:背面(画像:HTA3021製品紹介資料より)
HTA3021が選ばれる理由
- 国内防爆検定に合格:ガス防爆 第NC10145X号(Ex db IIB+H2 T6 Gb)、粉じん防爆 第NC10146X号(Ex tb IIIC T85°C Db)を同時に取得しています。国際認証のIECEx/ATEXにも対応しています。
- Zone1で使える国内唯一のiPad mini用防爆ケース:国内防爆検定に合格したiPad mini用防爆ケースは、HTA3021が唯一です(NBKマーケティング調べ)。
- iOSアプリ・業務システムをそのまま使える:普段お使いのiOSアプリ、Safari、MDM、Apple Pencilが、ケースに入れたまま動作します。WindowsやAndroid系の防爆端末では難しい「iOSの仕組み(エコシステム)をそのまま現場で使う」ことができます。
- 導入コストを抑えられる:一般的な防爆端末が約100万円なのに対し、HTA3021はiPad mini付きで70万円〜、ケースへの実装のみで55万円〜です(価格は目安。ボリュームディスカウントもあります)。導入コストは一般的な防爆端末の約60%です。
- 堅牢性:IP68の防水・防塵性能と、米軍規格MIL-STD-810H準拠の耐衝撃性能を備えています。筐体には航空宇宙グレードのアルミニウム合金を使っています。
こんな方におすすめです
- 危険場所(Zone1)でiPadを業務に使いたい
- すでにiOSアプリやiPadを使っていて、現場でもそのまま使いたい
- 一般的な防爆端末よりコストを抑えたい
- ATEX・IECExだけでなく、国内防爆認証を取得した安心感がほしい
- ガス(Zone1)と粉じん(Zone21)の両方に対応する1台がほしい
HTA3021の主な仕様
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 品番 | HTA3021(axtion extreme for iPad mini) |
| 対応端末 | iPad mini(A17 Pro) |
| 防爆規格(国内) | 第NC10145X号(ガス)/第NC10146X号(粉じん) |
| 防爆規格(国際) | IECEx/ATEX(Zone 1, IIB+H2, T6 / Zone 21, IIIC, T85°C) |
| 防水・防塵 | IP68 |
| 耐衝撃 | MIL-STD-810H 準拠 |
| 筐体 | 航空宇宙グレード アルミニウム合金 |
| 動作温度 | -20°C 〜 +40°C |
| 寸法 | 249 × 192 × 27 mm |
| 重量 | 1,400 g |
| 保証 | 標準2年間 |
| 認証発行日 | 2026年3月3日(有効期限:2029年3月2日) |
ご注意:防爆記号のガスグループは「IIB+H2」です。対象となるガスの種類が使える範囲に入っているかを、事前にご確認ください。
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iOS機器を防爆エリアで使うまでの流れ

区分の確認から運用開始までの、一般的な流れの例です
- 使う場所の区分を確認する:点検ルートや作業場所に、Zone1・Zone21が含まれるかを安全管理部門と確認します
- 使う端末と方法を選ぶ:Zone1を含む場合は、国内防爆検定でZone1に合格した機器(HTA3021など)に絞り込みます
- アプリ・運用ルールを準備する:使うiOSアプリやMDMの設定、充電する場所(非危険場所)、持ち出しのルールを決めます
- 社内・関係機関と調整する:事業所の保安ルールに沿って手続きを進め、必要に応じて所轄の消防機関などに相談します
- 現場で運用をはじめる:点検記録、写真撮影、図面・マニュアルの確認などを、iOS機器でデジタル化します
「どのZoneで使えるか」「どのiOSアプリを使いたいか」など、導入前のご相談もNBKマーケティングで承っています。
関連コラム
- iPad miniを防爆エリアで使うには?
- iPad mini用防爆ケース(ZONE1対応)とは
- 防爆タブレットとは
- 防爆タブレットPCについて
- 防爆仕様とは?消防法との関係性や危険物施設での導入基準、機器の種類
よくある質問(FAQ)
Q1. 普通のiPhoneやiPadを、防爆エリアに持ち込んでもいいですか?
A. 原則としてできません。労働安全衛生規則第280条により、爆発の危険のある箇所では、防爆構造の電気機械器具を使う必要があります。一般のiPhone・iPadは国内の防爆検定に合格した防爆品ではありません。
Q2. Zone2なら、非防爆のiPhoneを使えますか?
A. 経済産業省の官民協議会の提言では、Zone2または非危険区域に限り、ガス検知器の併用や落下防止などの安全対策を前提に、非防爆端末の活用を進める方向が示されています。実際に使うには、事業所の安全対策の整備や所轄の消防機関などとの協議が必要です。
Q3. Zone1で使えるiOS機器はありますか?
A. あります。iPad mini用防爆ケースHTA3021は、ガスのZone1と粉じんのZone21で国内防爆検定に合格しており、iPad miniをZone1の防爆エリアで使えます。
Q4. 市販の頑丈なケースに入れれば、防爆エリアで使えますか?
A. 使えません。防爆性能は、国内防爆検定に合格した機器(ケースと端末の組み合わせ)によって確保されます。防水・耐衝撃のケースに入れただけでは、防爆品にはなりません。
Q5. HTA3021では、いつも使っているiOSアプリが使えますか?
A. 使えます。iPad mini(A17 Pro)をそのままケースに格納する設計のため、普段お使いのiOSアプリ、Safari、MDM、Apple Pencilがそのまま動作します。
まとめ
- 一般のiPhone・iPadは防爆品ではないため、そのまま防爆エリアに持ち込むことはできない(労働安全衛生規則第279条・第280条)
- iOS機器を使う方法は、①iPhone組み込み型の防爆スマートフォン、②非防爆端末の条件付き利用、③iPad mini用防爆ケースの3つ
- ①と②はZone2が中心で、Zone1では使えない
- **Zone1を含む現場でiOS機器を使うなら、国内防爆検定に合格したiPad mini用防爆ケース「HTA3021」**が選択肢になる
- 導入の第一歩は、使う場所の区分(Zone)を確認すること
防爆エリアでiPhone・iPadを活用したい方は、お気軽にNBKマーケティングへご相談ください。
参考資料
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」(第279条・第280条) https://laws.e-gov.go.jp/law/347M50002000032
- 日本電熱「防爆の危険場所について」 https://www.nichinetu.co.jp/elementary/failsafe/basicKnowledge/danger-points/
- 東京消防庁「リチウムイオン電池搭載製品の出火危険」 https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/kasai/lithium_bt.html
- 経済産業省 スマート保安官民協議会 高圧ガス保安部会「プラントにおけるスマートフォン・タブレット活用の普及促進に向けた提言」(2024年2月) https://www.meti.go.jp/shingikai/safety_security/smart_hoan/koatsu_gas/pdf/005_04_00.pdf
- 四日市市消防本部「製造所等における非防爆携帯型電子機器使用に係るガイドライン」 https://yokkaichisyoubou.jp/sys/wp-content/uploads/2024/03/guideline-01.pdf
本記事の情報は2026年10月時点のものです。防爆エリアでの機器の使用にあたっては、事業所の保安ルールに従い、安全管理部門や所轄の消防機関などにご確認ください。

