
公開日:2026年10月 | NBKマーケティング株式会社
防爆エリアの点検は、使える機器が防爆品に限られる・配線工事が必要になる・安全管理の手間が大きいなど、一般エリアより多くの制約と工数がかかります。 効率化には「IoTカメラで遠隔監視する」と「防爆タブレットで現場をデジタル化する」という2つのアプローチが有効です。本記事では、防爆エリアの点検が非効率になる4つの理由と、それを解消するNBKマーケティングの2製品——完全無線型防爆IoTカメラ**「LC-EX10」(ZONE2対応)とiPad mini用防爆ケース「AXTION(HTA3021)」(ZONE1対応)**——の活用方法を、法令・技術資料をもとに解説します。

防爆エリアの点検では、機器選定から記録まで、一般エリアにはない制約と手順が発生します(画像:HTA3021製品紹介資料より)
【注目】防爆エリアの点検を「工事ナシ」で効率化するなら
・防爆IoTカメラ LC-EX10:電池で約3年動き、完全無線でLTE送信。金具などで取り付けるだけで始められます(ZONE2対応、国内防爆認証取得)。
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この記事でわかること
- 防爆エリアとは何か、点検でどんな制約があるか
- 防爆エリアの点検が非効率になる4つの理由
- 点検を効率化する2つのアプローチ(遠隔監視 / 現場DX)
- 防爆IoTカメラ「LC-EX10」の特長と活用シーン(ZONE2)
- iPad mini用防爆ケース「HTA3021(AXTION)」の特長と活用シーン(ZONE1)
- 2製品を組み合わせた点検効率化の進め方
防爆エリアの点検とは?まず基礎を押さえる
防爆エリアとは、可燃性のガスや蒸気・粉じんが爆発の危険がある濃度になるおそれのある場所です。 石油精製所・化学プラント・LNGタンク周り・塗装工程・製粉設備などが代表例で、法令では「危険箇所」「危険場所」とも呼ばれます。ゾーンは危険の度合いによってZONE0〜2(ガス)・ZONE20〜22(粉じん)に分類されており、ZONE1はZONE2より危険度が高い区域です。
こうした防爆エリアでは、法令や社内ルールにもとづき、さまざまな設備・機器の定期点検が義務付けられています。たとえば危険物施設(消防法)では貯蔵タンク・配管・弁・ポンプ等の点検、高圧ガス設備(高圧ガス保安法)では容器・配管・安全弁等の定期点検、圧力容器(労働安全衛生法)では定期自主検査が求められます。
これらの点検を法定の頻度で確実に行いながら、いかに効率よく実施するかが、プラントや工場の保全担当者の大きな課題になっています。
防爆エリアの点検が非効率になる4つの理由

機器の制約・工事の手間・安全管理・記録の負担が重なり、防爆エリアの点検は一般エリアより多くの工数がかかります
理由1:使える機器が防爆品に限られる
防爆エリアでは、電気機器の選択肢が大幅に絞られます。 労働安全衛生規則第280条は、引火性の物の蒸気や可燃性ガスが爆発の危険のある濃度に達するおそれのある箇所では、防爆性能を持つ電気機械器具でなければならないと定めています。点検用タブレットや計測器も例外ではなく、一般品を持ち込むことはできません。
防爆品は一般品より高価で機種の選択肢も限られるため、「欲しい機能が防爆対応製品にない」「導入コストが高い」という問題が生じがちです。
理由2:IoTカメラ・センサーの設置に配線工事が伴う
一般のIoTカメラや計測センサーをそのまま使うことは、防爆エリアでは許可されません。防爆対応のカメラ・センサーを設置する場合でも、電源や通信のケーブルを引く際には防爆仕様の電線管・シーリングフィッチングが必要で、施工には防爆の専門知識が求められます。配線工事の費用と期間がかさむため、「試しに1台だけ」という気軽な導入が難しい構造になっています。
理由3:安全管理・立入管理の手間が大きい
防爆エリアへの入退管理は、一般エリアより厳しく管理されています。点検のたびに作業員の入域手続き・ガス検知・保護具着用確認などが必要で、現場への往復と安全確認だけで多くの時間を消費します。 人手が少ない現場では、点検員の負担が慢性的に大きくなる傾向があります。
理由4:紙の点検票が残っている
防爆エリアでの点検記録は、電子機器が使えなかったり対応機器がないために、紙の点検票を使い続けているケースが多くあります。紙の記録は転記ミスや保管・検索の手間が発生し、点検後の集計・報告書作成に余分な工数がかかります。
点検を効率化する2つのアプローチ
防爆エリアの点検効率化には、大きく2つのアプローチがあります。
| アプローチ | 内容 | 向いているシーン |
|---|---|---|
| ①遠隔監視・自動化 | IoTカメラ・センサーで常時監視し、人が入る回数を減らす | ゲージ読み・設備状態の監視など、繰り返し確認が必要な点検 |
| ②現場DX(デジタル化) | 防爆対応タブレットで点検票を電子化し、記録の手間を削減 | 人が現場に出向いてチェックリスト・測定を行う点検 |
この2つを組み合わせることで、「行く回数を減らしつつ、行くときはデジタルで効率よく」という点検体制が実現します。
アプローチ①:LC-EX10で遠隔監視・自動化を実現(ZONE2対応)
LC-EX10とは
LC-EX10は、電池で約3年動き、配線工事ナシで始められる完全無線型の防爆IoTカメラです(ZONE2対応、国内防爆認証取得)。 LiLz社が開発し、NBKマーケティング株式会社が国内で取り扱っています。2024年9月に国内の防爆認証を取得し、石油・化学・ガスなど様々な業界の防爆エリア(ZONE2)に設置できます。LTE通信でクラウドに画像を送信し、LiLz GaugeやLiLz Guardとの連携でゲージの自動読み取りや異常検知も可能です。

LC-EX10はZONE2の防爆エリアに、HTA3021はZONE1を含む幅広いゾーンに対応します
LC-EX10の主な特長
① ZONE2対応の国内防爆認証(2024年9月取得) 防爆記号はEx ic IIC T6 Gc / Ex ic IIIC T85℃ Dc。日本の化学・石油・ガス系プラントのZONE2区域に適合します。IECEx認証も取得済みです。
② 配線工事ナシ・金具で設置するだけ 電池式(約3年持続)+LTE通信の完全無線設計のため、電源ケーブルも通信ケーブルも不要です。金具などを使って手作業(DIY)で設置するだけで始められ、防爆用の電線管工事・シーリングフィッチング工事が一切かかりません。
③ 防爆カメラとして驚異的な軽さ(約530g) 一般的な耐圧防爆構造カメラは重く・大きく設置場所が限られますが、LC-EX10は約530gと軽量。配管ラック・タンク周り・弁エリアなど、狭い場所への設置が容易です。
④ IP65防水・防塵、広い使用温度範囲(-20℃〜60℃) プラントの屋外環境に対応するIP65防水・防塵性能を持ち、-20℃〜60℃の広い温度範囲で動作します。
LC-EX10の主な仕様
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 製品名 | LC-EX10 [LTE] |
| 対応ゾーン | ZONE2(Ex ic IIC T6 Gc / Ex ic IIIC T85℃ Dc) |
| 防爆認証 | 国内取得済み(2024年9月)、IECEx取得済み |
| 通信方式 | LTE Cat.1 |
| 電源 | 電池式(約3年持続) |
| 重さ | 約530g |
| 防水・防塵 | IP65 |
| 使用温度 | -20℃〜60℃ |
| カメラ解像度 | 2560×1920(CMOSイメージセンサー) |
LC-EX10の活用シーン
- ゲージ・メーターの自動読み取り:圧力計・流量計・液面計などを定期的に自動撮影し、LiLz Gaugeで数値を自動読み取り。巡回点検の代わりにデータを取得できます。
- 設備状態の常時監視:タンク・弁・ポンプの状態を遠隔確認。異常時に通知を受け取れるため、定点巡回の回数を削減できます。
- 点検記録の自動保存:撮影画像がクラウドに保存されるため、点検履歴の検索・確認が容易になります。
アプローチ②:HTA3021(AXTION)で現場DXを実現(ZONE1対応)
HTA3021(AXTION)とは
HTA3021(商品名:axtion extreme for iPad mini)は、国内防爆検定に合格した唯一のiPad mini用防爆ケースです(ZONE1対応)。 2026年3月3日付で日本国内防爆検定に正式合格し、ガス防爆(ZONE1)と粉じん防爆(ZONE21)を同時取得しています。
従来、ZONE1の防爆エリアで使えるタブレットは汎用の防爆タブレットのみで、導入コストは1台100万円超が一般的でした。HTA3021はiPad miniをそのままケースに格納する構造のため、iOSアプリ・MDM・Apple Pencilなど既存の資産をそのまま防爆エリアでも活用できます。
HTA3021(AXTION)の主な特長
① ZONE1まで対応(ガス・粉塵の両方) 防爆規格はEx db IIB+H2 T6 Gb(ガス)/ Ex tb IIIC T85°C Db(粉塵)。国内防爆検定(第NC10145X号・第NC10146X号)を取得し、日本の危険場所でも安心して使用できます。LC-EX10がZONE2対応に対し、より危険度の高いZONE1エリアでの使用もカバーします。
② iPad miniのiOSをそのまま使える唯一の防爆ケース iPad mini(A17 Pro)をそのまま格納するため、Safari・業務アプリ・点検チェックリストアプリ・MDM(端末管理)など、既存のiOSエコシステムがそのまま現場で機能します。Windows・Android系防爆端末への移行コストや再教育コストが不要です。
③ 導入コストは一般防爆端末の約60% 一般的な防爆端末は約100万円超が相場ですが、HTA3021はiPad mini付で70万円から、ケースのみで55万円からと、大幅にコストを抑えられます。
④ IP68・MIL-STD-810H準拠の頑丈な設計 IP68の完全防水・防塵に加え、米軍規格MIL-STD-810Hの耐衝撃性能を持つ、航空宇宙グレードのアルミニウム合金筐体を採用。動作温度は-20°C〜+40°Cで、過酷な現場環境に対応します。
HTA3021(AXTION)の主な仕様
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 品番 | HTA3021(axtion extreme for iPad mini) |
| 対応端末 | iPad mini(A17 Pro) |
| 防爆規格(国内) | 第NC10145X号(ガス)/第NC10146X号(粉塵) |
| 対応ゾーン | ZONE1(ガス・粉塵) |
| 防爆規格(国際) | IECEx / ATEX(Zone 1, IIB+H2, T6 / Zone 21, IIIC, T85°C) |
| 防水・防塵 | IP68 |
| 耐衝撃 | MIL-STD-810H 準拠 |
| 筐体 | 航空宇宙グレード アルミニウム合金 |
| 動作温度 | -20°C ~ +40°C |
| 寸法 | 249 × 192 × 27 mm |
| 重量 | 1,400g |
| 価格 | iPad mini付:70万円〜 / ケースのみ:55万円〜 |
| 保証 | 標準2年間 |
HTA3021(AXTION)の活用シーン
- 点検チェックリストの電子化:紙の点検票をiPad miniアプリに置き換え。現場でリアルタイムに入力し、クラウドにそのまま送信できます。
- 設備データの現場入力・写真添付:測定値や異常所見をその場で入力し、カメラで写真を撮って記録。転記ミスがなくなります。
- 図面・マニュアルの現場参照:iPadのiOSアプリで設備の図面や点検手順を表示。紙の資料を持ち歩く手間を削減できます。
LC-EX10とHTA3021を組み合わせた点検効率化
2製品は、ZONE別・点検の種類別に役割が異なります。
| 製品 | 対応ゾーン | 主な用途 | 効率化の効果 |
|---|---|---|---|
| LC-EX10 | ZONE2 | 遠隔監視・ゲージ自動読み取り | 巡回回数を削減。夜間・休日も自動記録 |
| HTA3021(AXTION) | ZONE1・ZONE2 | 現場での点検デジタル化 | 紙の廃止・転記削減・報告書の自動生成 |
LC-EX10でZONE2の常時監視をカバーしつつ、HTA3021でZONE1を含む現場点検をデジタル化するという組み合わせが、防爆エリア全体の点検効率化に有効です。
防爆エリアの点検効率化を進める5ステップ

現状把握→対象特定→計画→試験運用→本格展開の順で進めることで、リスクを抑えながら効率化できます
ステップ1:現状の点検業務を棚卸しする 現在の点検業務を一覧化し、「誰が」「どこで」「何を」「どれくらいの頻度で」点検しているかを整理します。点検員の工数・移動時間・記録・報告書作成の時間も合わせて把握することで、どこに非効率が集中しているかが見えてきます。
ステップ2:IoTカメラで代替できる点検を特定する 繰り返し目視確認が必要で、人が行く工数が大きい点検をリストアップします。ゲージ・液面計・温度計の定期読み取り、タンク・ポンプ等の状態確認などが代表例です。これらはLC-EX10による自動読み取り・遠隔監視に適しています。
ステップ3:現場に出向く点検のデジタル化を計画する 現場に人が行く必要のある点検については、HTA3021(AXTION)を活用した電子点検票への移行を検討します。既存のiOSアプリや点検ソフトとの連携方法、MDMの設定、充電管理などを事前に確認します。
ステップ4:試験的に1〜2台から始める まずは1〜2台を試験導入して効果を測定することをお勧めします。LC-EX10は配線工事ナシで設置できるため、試験導入のハードルが低く、短期間で効果を確認できます。
ステップ5:本格展開と定期的な見直し 試験結果をもとに、展開箇所・台数・運用ルールを決めて本格展開します。導入後も定期的に点検工数・エラー率・コストを計測し、継続的な改善につなげます。
よくある質問(FAQ)
Q1. LC-EX10はZONE1の防爆エリアには設置できますか?
A. LC-EX10の防爆規格はZONE2(Ex ic)対応です。ZONE1には設置できません。ZONE1エリアでの監視ニーズがある場合は、ZONE1対応の別製品をご検討ください。
Q2. HTA3021はどんなiPad miniに対応していますか?
A. HTA3021は現在、iPad mini(A17 Pro)に対応しています。対応機種は変わる場合がありますので、最新情報は製品ページまたはお問い合わせでご確認ください。
Q3. LC-EX10の電池交換はどこで行いますか?
A. 電池は安全場所(非防爆エリア)で充電・交換する必要があります。製品仕様として、危険場所内での充電は禁止されています。
Q4. ZONE1とZONE2の違いは何ですか?
A. ZONEは防爆エリアの危険度分類です。ZONE1は「通常の状態において、爆発性雰囲気をしばしば生成するおそれがある場所」、ZONE2は「通常の状態において、爆発性雰囲気を生成するおそれが少ない、または生成した場合でも短時間しか持続しない場所」です(日本電熱「防爆」の基礎知識より)。ZONE1のほうがより危険度が高く、使用できる機器の規格も厳しくなります。詳しくは日本電熱「防爆」の基礎知識をご参照ください。
Q5. 防爆エリアの点検にはほかにどんな方法がありますか?
A. IoTカメラ・防爆タブレット以外にも、防爆対応のウェアラブル(スマートグラス)、センサー類、検査ロボットなどの手段があります。防爆エリアで使えるタブレット一覧やiOS機器を防爆エリアで利用するには?もあわせてご覧ください。
まとめ
防爆エリアの点検効率化には、「遠隔監視・自動化」と「現場DX(デジタル化)」の2つのアプローチが有効です。
- LC-EX10は、ZONE2の防爆エリアに配線工事ナシで設置できる完全無線型防爆IoTカメラです。電池約3年・約530gの軽量設計で、ゲージ自動読み取りや設備の遠隔監視によって巡回点検の回数を削減できます。
- **HTA3021(AXTION)**は、ZONE1まで対応した唯一のiPad mini用防爆ケースです。iOSアプリをそのまま使えるため、既存の業務システム・点検アプリを現場でそのまま活用でき、紙の点検票を電子化してコストと工数を削減できます。
2製品を組み合わせることで、ZONE1・ZONE2両方をカバーした防爆エリア全体の点検効率化が実現します。導入の詳細は、お気軽にお問い合わせください。
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参考情報
- LC-EX10 製品ページ(NBKマーケティング)
- iPad mini用防爆ケース HTA3021(AXTION)製品ページ(NBKマーケティング)
- 日本電熱「防爆」の基礎知識(危険場所)
- 労働安全衛生規則 第280条(電気機械器具の防爆性能)
- 防爆とは?基礎知識から活用業界・防爆機器の使用場所・防爆規格の種類まで徹底解説(NBKコラム)
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- 石油パイプラインの点検と防爆カメラ(LC-EX10, LiLz社)(NBKコラム)
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