公開日:2026年11月 | NBKマーケティング株式会社

画像認識AIによる点検と既存の点検との一番の違いは、「今ある計器を交換せず、カメラを付けるだけで、人が見て・書いて・転記する作業を自動にできる」ことです。 人の巡回点検は五感で気づける一方、毎回現場へ行く手間と記録ミスが避けられません。計器交換や有線センサーは連続で監視できますが、配線や通信の工事が必要です。画像認識AIはその中間にあたり、工事を抑えて素早く始められます。ただし、光の反射に弱いこと、音・においは分からないこと、秒単位の監視には向かないことなどの注意点があります。防爆エリア(ZONE2)の計器なら、NBKマーケティングが取り扱う防爆カメラLC-EX10(納入実績1,300台以上)で、電源・配線工事なしに始められます。本記事では、3つの点検方法を比較表で整理し、画像認識AIのメリット・注意点と、向いている点検を解説します。
この記事でわかること
- 画像認識AIによる点検のしくみ
- 人の巡回・計器交換(有線センサー)・画像認識AIの比較表
- 画像認識AIの5つのメリットと、5つの注意点・対策
- 画像認識AIに向いている点検・向いていない点検
- 防爆エリアで画像認識AIを使う方法(防爆カメラLC-EX10)
結論:計器はそのまま、人の点検を「減らす」のが画像認識AI
先に結論をまとめます。
| 知りたいこと | 答え |
|---|---|
| 既存点検との一番の違いは? | 計器を交換せず、カメラを付けるだけで読み取り・記録・転記を自動化できる |
| 主なメリットは? | 現場へ行く回数が減る、工事が少ない、記録ミスが減る、画像が証跡で残る、危険場所への立ち入りが減る |
| 主な注意点は? | 光の反射・汚れ、秒単位の監視は苦手、音・においは分からない、読み取りは100%ではない |
| 人の巡回はなくせる? | 完全にはなくせない。五感が必要な点検は残し、目視の点検を減らすのが現実的 |
| 防爆エリアでも使える? | ZONE2なら防爆カメラLC-EX10で可能。国内の防爆検定に合格した機器が必要 |
前提:画像認識AIによる点検とは
画像認識AIによる点検とは、カメラで撮った現場の画像をAIが解析し、計器の数値の読み取りや、いつもと違う状態(異常)の検知を自動で行う点検です。
たとえば、NBKマーケティングが取り扱うLiLz(リルズ)社のしくみでは、次の2つのAIを使い分けます。
- LiLz Gauge(リルズゲージ):アナログの圧力計・温度計など、計器の数値を読み取るAI。棒型・ランプ型を含むさまざまなアナログ計器に対応し、導入実績はトータル13,000台以上です。
- LiLz Guard(リルズガード):正常な画像を登録すると、「いつもと違う」度合いを数値にして異常を知らせるAI。液漏れや排水溝の詰まりなどの検知に使えます。
カメラは電池とLTE通信で動くため、電源・配線・ネットワークの工事が要りません。撮影した画像はクラウドに送られ、AIが読み取った数値をPCやスマートフォンで確認できます。
背景には、人手不足と設備の高経年化があります。製品評価技術基盤機構(NITE)の資料でも、保安人材の不足や設備の高経年化といった課題に対して、IoTやAI、ドローンなどの新しい技術を取り入れ、保安力の維持・向上と生産性の向上を両立させることが重要だとしています。
既存の点検と画像認識AIを比較
設備の日常点検の方法は、大きく次の3つに分けられます。
- 人の巡回・目視:点検員が現場を回り、計器を見て点検表に書き、事務所でシステムに転記する方法
- 計器交換・有線センサー:計器をデジタル出力のものに交換したり、センサーを付けたりして、配線で監視室にデータを送る方法
- 画像認識AI(後付けカメラ):今ある計器の前にカメラを付け、撮った画像をAIが読み取る方法

| 比べる点 | 人の巡回・目視 | 計器交換・有線センサー | 画像認識AI(後付けカメラ) |
|---|---|---|---|
| 初期費用・工事 | 機器は不要。人件費がかかり続ける | 計器交換・配線・通信の工事が必要 | カメラを金具で設置(電源・配線不要の機種も) |
| 既存設備の改造 | 不要 | 必要(設備停止を伴うことも) | 不要。計器はそのまま |
| 現場へ行く手間 | 毎回人が行く | 大きく減らせる | 大きく減らせる |
| 点検の頻度 | 人員次第(1日数回が限度) | 連続(秒〜分単位) | 設定した間隔(例:1日数回〜) |
| 記録 | 手書き・転記でミスのおそれ | 自動でデータ化 | 自動で数値化。画像も証跡で残る |
| 音・におい・振動 | 五感で気づける | 項目ごとにセンサーが必要 | 画像で分かる範囲のみ |
| 導入までの期間 | すぐ | 長い(設計・工事) | 短い(設置当日から開始も) |
※ 一般的な傾向です。設備・機種・現場の条件により変わります。
まとめると、**人の巡回は「柔軟だが手間がかかる」、計器交換・有線センサーは「正確で連続だが工事が大きい」、画像認識AIは「工事を抑えて、目視の点検をすばやく自動化できる」**という違いがあります。
特に防爆エリアでは、配線や通信の工事に防爆仕様の部材や手続きが必要になり、費用がかさみやすくなります。工事費が高くなる理由は、防爆エリアでの工事はなぜお金がかかるのか?で詳しく解説しています。
画像認識AIによる点検の5つのメリット

メリット1:現場へ行く回数が減る
遠い所・高所・暗所にある計器も、事務所のPCやスマートフォンで確認できます。広い敷地を毎日回る巡回の時間を、ほかの仕事に回せます。
メリット2:計器を交換せずに始められる
今あるアナログ計器をそのまま撮影するため、計器の交換や配管・配線の改造が要りません。設備を止めずに導入できるのは、計器交換方式にない大きな利点です。
メリット3:読み取り・記録・転記が自動になる
AIが読み取った数値はクラウドに保存されます。点検表への手書きや、システムへの転記の手間とミスを減らせます。LiLz Gaugeは他システムとのAPI連携(API無料公開)にも対応しており、電子帳票ツール「i-Reporter」や設備管理システムなどと連携した例があります。
メリット4:画像が証跡として残る
数値だけでなく撮影した画像も残るため、「その時、計器が本当にその値だったか」を後から見返せます。人の記録では残せない、確かな証跡になります。
メリット5:危険な場所への立ち入りを減らせる
防爆エリア・高所・夏場の暑い場所などへの巡回を減らせるため、点検員の安全にもつながります。
画像認識AIの5つの注意点と対策
画像認識AIは便利ですが、万能ではありません。導入前に、次の5つの注意点を押さえておきましょう。

注意点1:光の反射・汚れ・設置角度で読みにくくなる
計器のガラス面に太陽光やフラッシュが反射して白く飛んだり、汚れや曇りがあったりすると、AIが読み取りにくくなります。
対策:撮影位置や角度を調整し、ガラス面を定期的に清掃します。LiLz Gaugeの製品ページでは、反射で白飛びする場合に、三菱ケミカルの「モスマイト」を計器の表面に貼ると反射を軽減できると紹介しています。
注意点2:秒単位の監視には向かない
電池で動くカメラは、撮影の間隔を設定して使います(LiLzのカメラは1日3回の撮影で約3年動作。撮影頻度や環境によって変わります)。撮影の回数を増やすほど、電池の持ちは短くなります。
対策:急な変化を常に見ていたい重要な値は、計装やセンサーで監視し、画像認識AIは「人が見に行っていた計器」の置き換えに使うと、役割がはっきりします。
注意点3:音・におい・振動は分からない
画像認識AIが分かるのは、カメラに写る範囲だけです。異音・異臭・振動・熱さなど、五感で気づく異常は見つけられません。
対策:五感が必要な点検は人の巡回を残し、そのぶん目視だけの点検をAIに任せて、巡回の回数を減らします。
注意点4:読み取りは100%ではない
計器の種類や撮影条件によっては、読み取りを誤ることがあります。
対策:しきい値を超えたらアラートを出し、届いた画像を人が見て確かめる運用にします。安全に関わる重要な計器は、ほかの方法と組み合わせて二重に確認します。また、法令や社内規程で人が行うと決められている点検は、AIに置き換えてよいかを保安部門などで確認してください。
注意点5:防爆エリアには防爆品が必要
労働安全衛生規則 第280条では、爆発の危険のある濃度に達するおそれのある場所で電気機械器具を使うときは、ガスの種類や危険の程度に応じた防爆性能をもつ防爆構造電気機械器具でなければならないと定めています。防爆構造電気機械器具は、労働安全衛生法 第44条の2にもとづく国内の型式検定の対象です。
対策:防爆エリアに置くカメラは、国内の防爆検定に合格し、設置場所のZone(危険場所の区分)に合ったものを選びます。
画像認識AIに向いている点検・向いていない点検
注意点をふまえると、画像認識AIに向いている点検と、人やセンサーと併用したい点検は次のように分けられます。

| 向いている点検 | 向いていない点検(人やセンサーと併用) |
|---|---|
| アナログの圧力計・温度計・液面計の読み取り | 異音・におい・振動・触って分かる異常 |
| ランプ・表示灯の点灯確認 | 秒単位で変化を見続けたい値 |
| 液漏れ・水たまり・詰まりの有無 | 法令・社内規程で人が行うと決まっている点検 |
| 遠い所・高所・暗所の計器の目視 | カメラから見えない場所(裏側・内部) |
| 防爆エリア(ZONE2)にある計器の目視 | 分解・修理など手を動かす作業 |
まずは「毎日、計器の数値を見て書き写すだけ」の点検から画像認識AIに置き換えると、効果を実感しやすくなります。
防爆エリアで画像認識AIを使うなら:防爆カメラ「LC-EX10」
防爆エリアは、配線工事が高くつき、人が立ち入るのにも手間がかかるため、画像認識AIの効果がもっとも大きい場所のひとつです。そこで使えるのが、LiLz社の完全無線型 防爆IoTカメラLC-EX10です。

LC-EX10の特長
- ZONE2の防爆エリアに設置できる:2024年9月に国内の防爆認証を取得。防爆記号はEx ic IIC T6 Gc/Ex ic IIIC T85℃ Dcで、ガスと粉じんの両方に対応しています。
- 電源・配線工事が要らない:電池とLTE通信で動くため、市販の金具などで計器の前に取り付けるだけで始められます。製品ページでは、電源不要・完全無線型の防爆IoTカメラは業界初としています。
- 約530gと軽い:防爆カメラとしては軽く、設置の負担が小さくなります。
- 2つのAIと連携:計器を読み取るLiLz Gaugeと、異常を検知するLiLz Guardの両方に対応しています。
- 納入実績1,300台以上:石油・化学・ガスなどのプラントで使われています。
LC-EX10の主な仕様
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名称 | LC-EX10 [LTE] |
| 対応場所 | 防爆エリア ZONE2 |
| 防爆記号(JPEx) | Ex ic IIC T6 Gc/Ex ic IIIC T85℃ Dc |
| 防爆記号(IECEx) | 認証取得済み |
| 外形寸法 | W130.2 × H156.0 × D26.1mm(本体のみ) |
| 重さ | 約530g |
| 通信方式 | LTE Cat.1 |
| カメラ | CMOSイメージセンサー(有効解像度 2560 × 1920) |
| 防水・防塵 | IP65 |
| 使用温度範囲 | -20℃〜60℃ |
| 使用湿度範囲 | 20%〜80% |
| 納入実績 | 1,300台以上 |
※ 仕様はNBKマーケティングの製品ページより。充電は必ず安全場所で行うなど、製品ページに記載の使用条件を守ってお使いください。
確認しておきたい点
- 対応はZONE2まで:ZONE0・ZONE1には設置できません。ZONE1で人が点検するときの端末には、国内検定に合格したiPad mini用防爆ケース(ZONE1対応)HTA3021が使えます。
- 撮影の間隔:撮影頻度によって電池の持ちが変わるため、点検したい間隔を先に決めておきます。
- 電波の状況:LTE通信を使うため、設置場所の電波状況を事前に確認します。
防爆エリアの点検全体を効率化する進め方は防爆エリアの点検を効率化するには?、防爆カメラの選び方は防爆カメラとは?価格・選び方・おすすめモデルもあわせてご覧ください。
画像認識AIの点検を始める4ステップ
- 対象の計器を選ぶ:「毎日見て書き写すだけ」の計器、遠い所・高所・防爆エリアの計器から選びます。
- 設置場所を確認する:Zoneの区分、電波の状況、反射や汚れの出やすさを確認します。
- 少ない台数で試す:数台で読み取りの具合や運用を確かめます。
- 運用を決めて広げる:撮影の間隔、アラートのしきい値、異常時に誰が確認するかを決め、台数を増やします。
まとめ
- 画像認識AIと既存点検の一番の違いは、計器を交換せず、カメラを付けるだけで読み取り・記録・転記を自動化できること
- 人の巡回は「柔軟だが手間がかかる」、計器交換・有線センサーは「連続で正確だが工事が大きい」、画像認識AIは「工事を抑えてすばやく始められる」
- 注意点は、光の反射・汚れ、秒単位の監視は苦手、音・においは分からない、読み取りは100%ではない、防爆エリアには防爆品が必要
- 人の点検をゼロにするのではなく、目視だけの点検をAIに任せて巡回を減らすのが現実的
- 防爆エリア(ZONE2)なら、電源・配線工事なしで使える防爆カメラLC-EX10(納入実績1,300台以上)で始められる
「防爆エリアの計器の巡回を減らしたい」「どの計器から始めればよいか知りたい」という方は、お気軽にご相談ください。対象の計器や設置場所をお知らせいただければ、LC-EX10で読み取れるかを確認し、導入の進め方をご提案します。
👉 防爆カメラ LC-EX10の詳細を見る
👉 お問い合わせ・お見積りはこちら
関連コラム
- 防爆エリアの点検を効率化するには?課題と解決策
- 防爆エリアをDX化するには?進まない4つの壁と3つの段階
- 電源がない場所で日常点検を行うには(現場を遠隔監視するには)?
- 防爆エリアでの工事はなぜお金がかかるのか?
- 【商品紹介あり】防爆カメラとは?価格・選び方・おすすめモデル
- インフラ点検におけるAI活用事例を紹介|メリット・注意点まで解説
よくある質問(FAQ)
Q1. 画像認識AIによる点検とは何ですか?
A. カメラで撮った現場の画像をAIが解析し、計器の数値の読み取りや、いつもと違う状態(異常)の検知を自動で行う点検です。今あるアナログ計器の前にカメラを付けるだけで始められ、読み取った数値はクラウドに保存されます。
Q2. 既存の点検と比べて、一番の違いは何ですか?
A. 計器を交換せず、カメラを付けるだけで、人が見て・書いて・転記する作業を自動にできる点です。人の巡回より現場へ行く手間が少なく、計器交換や有線センサーより工事を抑えて、すばやく始められます。
Q3. 画像認識AIを入れれば、人の巡回点検はなくせますか?
A. 完全にはなくせません。画像認識AIは、異音・におい・振動など五感で気づく異常は見つけられないためです。目視だけの点検をAIに任せ、五感が必要な点検は人が行うことで、巡回の回数を減らすのが現実的です。
Q4. AIが計器を読み間違えることはありますか?
A. 光の反射や汚れ、設置角度などによって、読み取りを誤ることがあります。撮影位置の調整や清掃、反射を抑えるシートの活用に加え、しきい値を超えたらアラートを出し、画像を人が確かめる運用にすると安心です。
Q5. 防爆エリアでも画像認識AIの点検はできますか?
A. できます。ただし、防爆エリアでは国内の防爆検定に合格した機器を使う必要があります。ZONE2の防爆エリアなら、電源・配線工事なしで設置できる防爆カメラLC-EX10(Ex ic IIC T6 Gc、納入実績1,300台以上)が使えます。ZONE0・ZONE1には設置できません。
推奨URL(スラッグ):gazou-ninshiki-ai-tenken-hikaku
参考資料・出典
- NBKマーケティング「完全無線型防爆(ZONE2対応)IoTカメラ(LC-EX10)」
- NBKマーケティング「LiLz Gauge(リルズゲージ 計器読取AI)」
- NBKマーケティング「LiLz Guard(リルズガード 異常検知AI)」
- LiLz株式会社「公式サイト」
- 製品評価技術基盤機構(NITE)「スマート保安プロモーション委員会について」
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法」(第44条の2)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」(第280条)
- 日本電熱「防爆の危険場所について」
仕様・実績は2026年11月時点の製品ページにもとづきます。最新情報はお問い合わせください。
