公開日:2026年11月 | NBKマーケティング株式会社

定修(定期修繕・定期点検)のコストを少しでも抑えるには、費用の大きな部分を占める「足場の組立て・解体」と「操業停止の日数」を減らすことがいちばんの近道です。 特に高所の配管の点検では、足場を組む付帯工事費が検査費用の約7割を占めるという報道もあります。NBKマーケティングが取り扱う配管点検ロボットFloat Arm(フロートアーム)は、ヘビのように曲がるアームで、足場を組まずに高所・狭所・危険箇所の配管へ近づいて点検できます。 足場を建てて人が上がる以外に近づく手段がほとんどない高所の配管では、唯一の選択肢といっても過言ではありません。NBKの紹介資料では、足場建設+点検で7日間かかっていた点検が2日間になる例を示しています。本記事では、定修コストが膨らむ理由と、足場方式とのコスト比較、Float Armを選ぶポイントを解説します。


この記事でわかること

  1. 定修コストが膨らむ5つの要因
  2. 定修を少しでも低コストでおさめる5つのコツ
  3. 高所配管の点検:足場建設とFloat Armのコスト比較
  4. 高所・危険箇所の配管点検で、Float Armが「唯一の選択肢」といえる理由
  5. 導入事例と、Float Armの主な仕様

結論:足場と停止日数を減らすことが、定修コストを下げる近道

先に結論をまとめます。

知りたいこと答え
定修コストが膨らむ一番の理由は?高所配管の点検に必要な足場の組立て・解体と、点検期間中の操業停止
低コストにするコツは?点検範囲の絞り込み、足場を組まない点検方法、点検期間の短縮、データの記録・比較
足場とFloat Armのコスト差は?Float Armは足場が不要。点検期間の例は7日間→2日間(5日短縮)
操業停止の損失はいくら減る?生産高1,000万円/日のプラントなら、5日短縮で5,000万円の損失を防げる計算
Float Armが向く場所は?高所のパイプラック、配管が密集した狭い場所、人が近づくと危険な場所

前提:定修とは、プラントを止めて行う大規模な点検・修繕

定修(定期修繕)とは、石油・化学プラントなどで、数年に一度、設備を止めて行う大規模な点検・修繕のことです。日々の巡回では見られない配管の内部や高所の設備を、まとめて点検します。

定修中はプラントの操業が止まります。そのため、定修のコストは「点検や修理にかかるお金」だけではありません。止まっている間に生産できない分の損失も、定修のコストに含めて考える必要があります。 定修の効率化については、定修(定期修繕)・定期点検を効率化するには?でも詳しく紹介しています。


定修コストが膨らむ5つの要因

定修のコストを押し上げる主な要因は、次の5つです。

定修コストが膨らむ5つの要因

要因1:足場の組立て・解体

高所の配管を人が点検するには、足場が必要です。労働安全衛生規則 第518条では、高さが2m以上の場所で墜落の危険があるときは、足場を組み立てるなどの方法で作業床を設けなければならないと定めています。

足場の費用は大きく、日刊工業新聞(ニュースイッチ)は、プラントの配管点検について「この足場を組む付帯工事費が検査費用の約7割を占めてしまう」と伝えています。また、茨城県工業技術センターの資料では、「高さ100mの1基の化学反応塔の表面の腐食検査を行う為の仮設足場設置費は約1億円になり,検査期間は1ヵ月に及ぶ」と紹介されています(いずれも条件により異なる目安です)。

要因2:操業停止による損失

足場の組立て・点検・解体の期間中、プラントは止まったままです。点検期間が1日延びるごとに、1日分の生産が失われます。 生産高の大きなプラントほど、この損失が定修コストの大部分を占めます。

要因3:外注・人件費

足場を組む職人、点検会社の技術者、安全の監視員など、定修には多くの人が関わります。足場が大きくなるほど、関わる人と日数が増え、人件費もふくらみます。

要因4:安全書類・保険・届出

足場の組立て・解体には、法令で決められた安全措置が必要です。安衛則 第564条では、高さ2m以上の足場の組立て・解体などの作業について、作業の時期・範囲・順序を作業者に知らせることや、関係者以外の立入りを禁止することなどを定めています。さらに、高さ10m以上の足場で、組立てから解体までの期間が60日以上のものは、労働安全衛生法 第88条により、工事を始める日の30日前までに労働基準監督署長へ計画を届け出る必要があります(安衛則 第85条・別表第7)。こうした書類づくりや保険の手配も、コストの一部です。

要因5:やり直し・再点検

足場を外したあとに見落としや記録の不足がわかると、もう一度足場を組まなければなりません。一度の点検で、必要なデータをきちんと残すことが、次の定修までのムダなコストを防ぎます。


定修を少しでも低コストでおさめる5つのコツ

5つの要因をふまえると、定修を低コストでおさめるコツは次のとおりです。

コツ1:点検する場所を絞り込む

過去の点検結果や腐食の進み具合から、優先して点検する場所を決めます。すべての配管を同じ頻度で点検するのではなく、リスクの高い場所に集中することで、点検の範囲と日数を減らせます。

コツ2:足場を組まない点検方法を選ぶ

最もコストを下げやすいのは、足場そのものをなくすことです。 足場がなければ、組立て・解体の費用と日数、職人の手配、計画届などの手間がまとめて減ります。高所配管に足場なしで近づく方法が、後で紹介するFloat Armです。

コツ3:点検期間を短くして、操業停止の日数を減らす

足場の組立て・解体がなくなれば、点検にかかる日数そのものが短くなります。停止日数が減ることは、定修コストの削減に最も大きく効きます。

コツ4:点検データを記録し、次回と比べられるようにする

画像や肉厚の測定値をデータで残しておけば、次の定修で変化を比べられます。劣化の進み具合がわかれば、修繕の優先順位をつけやすくなり、ムダな点検や修繕を減らせます。

コツ5:人が危険な場所に入らない方法を選ぶ

高所や危険な場所での作業が減れば、安全対策にかかる費用と手間も減ります。事故のリスクを下げることも、長い目で見れば大きなコスト削減です。


高所配管の点検:足場建設とFloat Armのコスト比較

ここからは、本記事で最もお伝えしたい、足場を建てて点検する方式と、Float Armで点検する方式のコスト比較です。

高所配管の点検:足場方式とFloat Armの比較

足場の建設が不要になり、時間とコストを削減

高所の配管を点検するには、これまでは足場の建設が必要で、それが大きなコストになっていました。Float Armなら足場の建設は不要です。 アームの先に付けたカメラや超音波などのセンサで、足場なしに配管を点検できます。

高所の配管点検では足場の建設が不要に(NBK紹介資料より)

NBKマーケティングの紹介資料「配管の点検など定修を効率化・省人化するロボット(Float Arm)」より

点検期間が7日間から2日間へ。操業停止の損失も減る

足場の組立て・解体がなくなることで、点検期間も短くなります。NBKの紹介資料では、**足場建設&点検で7日間かかっていた点検が、2日間に(5日減)**なる例を示しています。点検期間が短くなれば、定修で止めるプラントの操業停止の時間も減ります。

定修の操業停止の時間も減る(NBK紹介資料より)

NBKマーケティングの紹介資料「配管の点検など定修を効率化・省人化するロボット(Float Arm)」より

操業停止の損失はいくら減る?自社の数字で計算してみる

紹介資料の例では、生産高が1日1,000万円のプラントなら、5日短縮で5,000万円の損失を防げます。 次の式に自社の数字を当てはめると、おおよその効果を計算できます。

操業停止の損失はいくら減る?(計算例)

防げる損失 = 1日あたりの生産高(または利益)× 短縮できる停止日数

これに、なくなる足場の組立て・解体費を加えたものが、Float Armで減らせるコストの目安です。実際の効果は、停止する範囲や在庫・代替生産の有無などで変わります。NBKでは、点検したい配管の条件をうかがったうえで、足場方式との比較をお手伝いします。


高所・危険箇所の配管点検では「唯一の選択肢」といっても過言ではない理由

高所や危険な場所の配管、特に配管が何本も並ぶパイプラックの点検では、Float Armは唯一の選択肢といっても過言ではありません。理由は次の3つです。

理由1:人が近づくには、足場がほぼ必須

先に紹介したとおり、高さ2m以上で墜落の危険がある場所では、足場などで作業床を設ける必要があります(安衛則 第518条)。人が自分の目と手で点検する限り、高所の配管には足場がほぼ欠かせません。 足場のコストと日数を避けて人が近づく方法は、ほとんどありません。

理由2:ドローンや高所作業車では、配管の間に入り込みにくい

ドローンは高い場所を撮影できますが、配管が密集した狭いすき間に入り込み、配管に超音波のプローブを当てて肉厚を測るような点検は苦手です。高所作業車も、パイプラックの奥や配管の間までは届きにくいことがあります。NBKの紹介資料でも、Float Armは人やドローンが入れない狭い所や高い所も点検できるとしています。

理由3:ヘビのように曲がるアームで、すき間をくぐって近づける

Float Armは、関節が9つあるヘビ型のアームです。自重補償機構で長いアームを支え、最大5m(伸長ユニット装着時は7.5m)先まで、配管や構造物のすき間をくぐって近づけます。 先端には、検査カメラ、超音波探傷(UT)、コの字型RT、サーモカメラ、3Dレーザースキャナなどを付けられます。三井化学の事例では、点検対象の3Dデータを取得し、そのデータをもとにパイプ棚と構造物のすき間をくぐり抜けて、詳細な画像を取得できたと紹介されています。

さらに、放射線・有毒ガス・高温など、人が近づくと健康に害がある場所の点検にも使えます。 足場を組んで人が上がる、ドローンで外から撮る、のどちらでも難しい「高所・狭所・危険箇所の配管」に近づいて測れることが、Float Armが唯一の選択肢といえる理由です。高所・危険箇所の配管点検については、高所・狭小部・危険箇所の配管を点検するには?でも詳しく解説しています。


導入事例:足場をなくして時間とコストを削減

Float Armは、国内外のプラントで使われています。

導入事例:足場をなくして時間とコストを削減
  • BASF(ドイツ):高所のパイプラックの点検で、足場建設から検査の実施までに大きな時間とコストがかかっていました。Float Armにより、カメラでの目視点検や超音波を使った肉厚の計測など、あらゆる検査を早く効果的に行えました。
  • 三井化学(日本):高所にあるパイプ棚の点検では、足場の工事で時間とコストがかかっていました。Float Armにより、足場の工事が不要になり、時間とコストを大幅に削減できました。細かい画像データも得られました。

Float Armは、ロボットの点検技術を競うSprintRobotics(2020年)で1位を獲得し、GRIC 2024で最優秀賞を受賞しています。開発元は東京科学大学発のベンチャー、株式会社ハイボット(Hibot)で、NBKマーケティングは国内の代理店として導入をサポートしています。


Float Armを検討するときに確認したい点

導入の前に、次の点を確認しておくとスムーズです。

  • 点検したい配管の場所と高さ:アームが届く距離(最大5m、伸長ユニット装着時7.5m)に収まるか
  • ロボットを置く場所:高所作業車やAGVに載せて使うため、その車両を置ける場所があるか
  • 測りたい項目:外観の目視、肉厚、保温材の下の腐食など、必要なセンサ(先端ツール)は何か
  • 使用環境:環境温度(-10℃〜40℃)の範囲に収まるか。点検場所が防爆エリアにあたる場合は、使える条件を事前にご相談ください
  • 費用の比較:足場方式の費用と停止日数を出しておくと、効果を比べやすい

Float Armの主な仕様

Float Armの主な仕様
項目内容
製品名Float Arm(フロートアーム)
開発元株式会社ハイボット(Hibot)
形式自重補償機構をもつヘビ型マニピュレーター
質量40kg(1〜6リンクの合計。ベースと伸長ユニットを除く)
最大アーム長5m(伸長ユニット装着時 7.5m)
積載質量2.5kg
関節数9
電源地上のバッテリーから給電(現場の電源は不要)
搭載できるセンサHDカメラ、赤外線、超音波探傷プローブ、ライダー、TOF
先端ツール検査カメラ、UT、コの字型RT、サーモカメラ、3Dレーザースキャナ
運用高所作業車やAGVに搭載して使用

仕様はNBKマーケティングの製品ページにもとづきます。最新情報はお問い合わせください。


まとめ

  • 定修のコストは、点検・修理の費用に加えて、足場の組立て・解体と操業停止の損失が大きな割合を占める
  • 低コストにするコツは、点検範囲の絞り込み、足場を組まない点検、点検期間の短縮、データの記録、危険作業の削減
  • Float Armなら足場の建設が不要。紹介資料の例では、点検期間が7日間から2日間に(5日短縮)
  • 生産高1,000万円/日のプラントなら、5日短縮で5,000万円の損失を防げる計算
  • 人もドローンも近づきにくい高所・狭所・危険箇所の配管点検では、Float Armは唯一の選択肢といっても過言ではない

「次の定修で足場を減らしたい」「足場方式とどれくらい費用が違うか知りたい」という方は、お気軽にご相談ください。点検したい配管の場所や高さをお知らせいただければ、Float Armで点検できるかを確認し、足場方式との比較をお手伝いします。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 定修(定期修繕・定期点検)のコストを下げるには、何から始めればよいですか?
A. まず、費用の大きな部分を占める「足場の組立て・解体」と「操業停止の日数」を見直します。点検する場所を絞り込み、足場を組まない点検方法を選ぶことで、足場費と停止日数をまとめて減らせます。

Q2. Float Armを使うと、足場は本当に不要になりますか?
A. Float Armは、高所作業車やAGVに載せたヘビ型アームを、配管のすき間に通して点検します。アームが届く範囲(最大5m、伸長ユニット装着時7.5m)の配管なら、足場を建設せずに点検できます。三井化学の事例でも、足場の工事が不要になり、時間とコストを大幅に削減できました。

Q3. 足場方式と比べて、どれくらい費用が減りますか?
A. 条件によって変わります。NBKの紹介資料では、足場建設+点検で7日間かかっていた点検が2日間になる例を示しており、生産高1,000万円/日のプラントなら5,000万円の損失を防げる計算です。これに足場の組立て・解体費の削減分が加わります。具体的な比較はご相談ください。

Q4. ドローンでの点検とは何が違いますか?
A. ドローンは高い場所の撮影に向いていますが、配管が密集した狭いすき間に入り込んだり、超音波のプローブを配管に当てて肉厚を測ったりする点検は苦手です。Float Armは、9つの関節をもつヘビ型アームですき間をくぐって配管に近づき、カメラや超音波などで点検できます。

Q5. どのような場所の点検に向いていますか?
A. 高所のパイプラック、配管が密集した狭い場所、放射線・有毒ガス・高温など人が近づくと危険な場所の配管点検に向いています。環境温度は-10℃〜40℃です。点検場所が防爆エリアにあたる場合は、使える条件を事前にご相談ください。


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参考資料・出典

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